雪だるまを飾った多肉植物

【多肉植物の冬越し】うっかり枯らさないための3つの注意点

冬の寒さには比較的強い多肉植物ですが「ある日突然 うっかり枯らしてしまった」という悲劇が起きる時には起きるのです。それなりの原因で。大切に育ててきたお気に入り多肉を うっかり傷ませないように維持して 暖かい春を迎えたいですね。

実際にやらかしてしまった「うっかり悲劇」

傷んで枯れそうな多肉植物

【セダム属 乙女心】これはもう、多肉植物の神様から天罰が下ってしまうレベルのうっかり実例。庭の片隅に置きっぱなしにされたまま ミゾレに降られ、アラレに降られ、豪雪に埋もれ、気が付いた時にはこんな状態になっていました。わ~ゴメンナサイ。

凍った多肉植物

【セダム属 ロッティ】 ジュレました。本来は美しい黄緑色なのに、葉が白っぽく半透明になり、ブヨブヨな質感になっています。

 
ぽこり
「ジュレる」とは 暑さで蒸れたり寒さで凍ったりして葉の組織が壊れた状態をいいます。

セダムは寒さには強い品種なのに、ぽこり家の庭では毎年いくつかのロッティがジュレ被害に遭います。今年は2鉢も傷ませてしまいました。せっかく春から挿し芽で増やしたのに、ショックです・・・。来年の冬は夜だけ屋内に置かなくては。

雪が20㎝程積もった庭

ぽこり家の地域は 11月中旬から極端に寒くなり 雪まじりの雨が降りだします。12月は日照時間もかなり短く、大きな寒波が来るたび連日雪が降り積もります。真冬は最低気温が氷点下になることも珍しくありません。それでも私は ほとんどの多肉を外で管理しているんですけどね。たいてい無事に乗り切れてるので。

多肉植物にとっては適した環境とは言えないぽこり家の庭。勝手に種が飛んできて自生したわけではなく「可愛いからそばに置きたい」という、私の都合で連れてきたのです。最終的には植物本来の強い生命力で 環境に慣れてもらうしかないのだけど、最大限やれるだけのお世話をして 多肉植物が快適に過ごせるような環境づくりに努めて育てています。

つばめと犬と猫

絶対に「ミゾレ」と「霜」にさらさない

  • ミゾレを葉に降らせない
  • 霜にあてて凍らせない

これは本当に大切。多肉植物にとっては死活問題です。

ミゾレは多肉植物のボディを傷だらけにする

ふわふわの粉雪が一瞬積もってすぐ溶ける程度なら そんなに問題ありませんが、ミゾレは硬い氷の粒で、ゲリラ的に勢いよく降ることが多く ほんの数分だけ葉に直撃しただけで表面が傷だらけになり、最悪の場合は 傷から菌が入り 苗ごと腐ってしまいます。

葉にできた傷は、いずれ茶色い古傷になり、かなり美観を損ねた状態になります。新しい葉にすべて生え変わるまで何か月もかかるので、気温が10度以下の日の悪天候には要注意です。

霜にあてるとジュレ多肉が多発する可能性が高い

真冬の美しい静かな月夜。熱を遮断する役目をする雲がないので、地面近くの熱はどんどん空へ逃げてしまうため冷え込みが強くなります。地面付近の気温が0℃以下に下がり 一番冷え込む早朝に 放射冷却の現象が起きると、多肉が凍る可能性は高くなります。

 
ぽこり
冷蔵庫の中のほうが暖かいんじゃない?

ミゾレと霜から多肉を守るために

日頃から週間天気予報や 時間ごとの気温の予報をチェックするといいです。気温が3度以下になりそうな日は、鉢の数が少ないなら屋内に避難させればOK。大量に鉢があるなら、トレーなどにまとめて棚に置き、エアパッキンのシートで覆うのが一番簡単で経済的です。

ホームセンターで売っている簡易ビニールハウスも便利です。(晴れた日中は気温が上がるのでビニールを開けて換気しないと蒸れるので注意!)特に寒さに弱い品種を夜だけ屋内に置くと安心です。日中は晴れているなら積極的に外で日光と冷たい空気にさらすことでキュッと締まり鮮やかな色を保てます。

冬の多肉植物の水やり頻度は?

気温の低い冬の間、多肉植物は成長する働きが鈍くなってくるので、水をあまり必要としなくなります。

植物の中の水分量を減らし、「適合溶質」という物質を合成して溜めることで、乾燥や寒さに対しての耐性が高まります。なのに そこでこまめに水やりをすると、せっかく強くなった耐性が弱まって凍る可能性が高くなるのです。

1ヶ月~1ヶ月半に一度くらい、元気そうならもう少し様子を見てから 晴れが続きそうなタイミングで水をあげるのがベストです。でも不安定な冬の天候でそれを見極めるのは難しいですよね。

ならばいっそのこと断水して冬を越す選択もあります。最も寒さの厳しい2ヶ月程度を断水するのです。間違ったタイミングでこまめに水やりをしてしまう方がよっぽど枯れる可能性が高いです。薄い葉のマンネングサ系セダムの鉢植えだと、水を切りすぎるとカラカラにしおれて枯れそうになるので、様子を見て水をあげる必要があります。

多肉植物の冬越し まとめ

  • ミゾレを葉に降らせない
  • 霜にあてて凍らせない
  • 水やりは一ヶ月半に一度くらい

この3点を貫けば、脱落する多肉はほとんどなくなるはずです。地域によって気候も違うし、置き場所の環境条件や 育て方が甘いかスパルタかによって、苗の耐性が強くも弱くもなります。

失敗はしたくないけど、ギリギリの厳しい条件で試行錯誤しながら管理することで、「自分の庭での多肉植物の育て方ルール」が確立してくると思います。なんとかうまく冬を乗り切りたいですね。その先に待っているのはお手入れが一番たのしい暖かい春です。どんな寄せ植えを作ろうか、考えるだけでワクワクしますね。

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